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今日は「嫉妬」のお話を少し……のつもりが長くなりました

20161104先日会った女性から「嫉妬深い恋人と別れるのに苦労した」という話を聞きました。

いろいろ話を聞いていると、嫉妬深い人とつき合ったことが今までにもあるらしく、毎度、別れに至るのが大変らしいのです。

「こういう相手ばかり引き寄せてしまう私に何かいけないところがあるのかしら?」と冗談っぽく聞かれて、「そんなことはないと思いますが、嫉妬深い人との恋の場合、つき合い始めの当初がすごく盛り上がったんじゃありませんか?」聞いてみました。

まさにその通りです、と。

こんな質問を彼女にしたのは、恋愛初期に激しく盛り上がった恋ほど、のちに嫉妬の嵐が吹き荒れることが多いような気がしたからなんですね。

そもそも、つき合い始めて間もないころ、だいだいのカップルはまだ、お互いを探り合っていますよね。自分たちは上手くいくかな、ずっと好きでいられるかな、いてくれるかな……と。
この時点では、安易に愛の約束を口にすることはないでしょう。

けれども、略奪愛の場合だとか、なにかしら劇的な形でロマンスが始まった場合などは、最初の時点で、ちょっとテンションが上がりすぎてしまうものです。

そういうときは、つき合って間もないのに、「あなたほど私を分かってくれる人はいないわ」とか「オレには君しかいない」とか「あなたさえいれば何もいらない」とか、「オレの全ては君だけのものだ」とか……。
「ああ、まるで映画のよう」と感じる激しい愛のセリフが、そこで発生しがちです。

でも、これは冷静になれば愛の熱に浮かされている状態ですよね。
心のどこかで、「自分でもそう思う……」という感覚がある人は、あとでちょっと気恥ずかしくなるだけでしょう。

けれども、このときの愛のやり取りを「真剣な約束」と受け取ってしまう場合は決して少なくありません。

その結果……「俺しかいないって言ったくせに、なぜ他の男の世話を焼くんだ!」とか「オレは君だけのものだって約束してくれたのに、どうして他の女性にまで優しくするのよ!」といった激しい嫉妬が生まれてしまうことがあるわけです。

このとき、嫉妬の攻撃を受けたほうは、「ちょっと他の人と話しただけなのに、なんて嫉妬深いんだろう」と驚いて、愛が冷めがちに。

でもね、嫉妬をしている本人は「約束を守らない相手」に不満を言っているだけ、と感じているかもしれません。

そもそも、人が誰かに嫉妬するのは、たいていの場合「自分の正当な取り分を奪われている」と感じるときです。
「なんで自分だけ、仲良くしてもらえないの?」「どうして、あいつのほうが人気なの?」「一緒の仕事なのに給料がこんなに違うっておかしくない?」というように。

そこには人間は平等だという「約束」が成立しているという意識があるのではないでしょうか。

もちろん、そうは言っても実際のところ、世の中が平等に出来ていないことくらい、みんな理解しています。
大富豪がヘリコプターから降りてくるのを見ても、「すごーい」と思うくらいで「どうして私は電車なのよ!」と本気で怒る人はまれですよね。

もし、そういうふうに怒りだす人がいるとしたら、「あなたは特別扱いされる価値がある人なのです」という約束を、どこかで埋め込まれた人なのだと思うのです。

たとえば、私だって、もし仮に「ここにいらっしゃったときは、いつでもあなたを一番に優遇しますからね」と約束してくれていた店員がいたとして、ある日、他のお客様を私以上に優遇しているのをみたら、ムッとしたり、先客に軽く嫉妬してしまうかもしれません。

嫉妬深い人のことを「傲慢な人間」だと批判することがありますよね。
でも、本人に傲慢なつもりは全くないのではないかな。むしろ、嫉妬深いとか傲慢だとか言われて、その人は深く傷ついているかもしれませんよね。
だって、彼らは「優遇を約束してもらったのに、それを破られたことに苛立っているだけ」のつもりなのですから。

映画のなかで、プレイボーイに向けて皿を投げつけ、「なによ! 私だけって言ったじゃない! 嘘つき!」と怒りをぶつける女性。
その女性にむけて、「ふっ、これだから嫉妬深い女はイヤだね」と捨て台詞を吐く男。

……悪いのは女性でしょうか? 「君だけしか愛さない」という約束をしておいて、それを破ったうえに、相手をおとしめるセリフを吐いている相手のほうが問題に感じませんか?

すっかり話が長くなってしまいました。
いつものことですね(笑)。

さて、もしもあなたが今、嫉妬深い恋人に悩まされているなら、彼(彼女)には、「こうしてくれると約束したはず」という意識があるのかもしれませんね。

逆に、今のあなたが「嫉妬深い自分」について悩んでいるなら、誰かがあなたに「出来もしない約束」をして、それを破り続けているからかもしれません。

もちろん、「そんな約束をしたつもりはなかった」とか、「私にはそう聞こえた」とか、いろいろ誤解やすれ違いはあるはずです。

でも、とりあえず、「嫉妬」という問題を傲慢だとか、根っから嫉妬深いとか、性格の問題で片づけず、どこかに互いを混乱させている前提があるはずだと疑ってみることが、思いがけない救いになるかもしれません。

そうなってほしいな……と思うのでした。

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