~終りの来ないこと・失われた境界線~
水平線に近づく太陽。
光の反射で輝く空と海。
夕暮れが近づいているようにも見えるカードですが、『白夜』というのは、何カ月も太陽が沈まない時期のことです。
極地の夏は、こんなふうに淡い光が一晩中、空を照らしています。これは「終わらないこと」を意味するカードです。
終わらない……それがいいのか、悪いのか。もちろん、その判断は、何を占っているかによって変わります。
すでに結ばれているカップルにとっては、いいほうに取れますね。ふたりの関係はこれからもずっと続いていくよ、というふうにリーディングできるでしょう。
離れ離れになっている恋人のことを思い、「あの人は私のこと、もう忘れてしまったの?」という問いを立てていた場合も、「あなたに対する愛は今も終わらず、あの人の心で続いている」ということです。
けれども、占う内容が片思いについてだったとしたら……このままでは終わりのない片思いが続いてしまう、という暗示かもしれません。
「このままでは」と前置きしたのはね、このカードが本質的に「境界の喪失」という意味を持つものだからです。
もう一度、カードを見てください。
絵柄をじぃっと見ているうちに、どこから空でどこから海か、だんだんその境い目が分からくなってきませんか?
実際、白夜の期間には、いったい今が何時なのか、今日と明日の境い目はどこだったのか、分からなくなってしまいがちです。
極地に暮らす人々のなかには白夜のあいだ、好きなときに寝て、好きなときに起きて活動する人も多いそう。昼夜が逆転したって差しさわりはありません。いつから活動を始めようと、いつだって日中なのですから。
境界が喪失した世界には制限がないのです。この『白夜』のカードには、制限のなさ、目標や区切りの消滅、公私混同といった意味も含まれているのです。
さて、片思いに関するリーディングの話に戻りましょう。
「このままでは終わりのこない片思いが続いてしまう」という話です。
「このまま」とはどういうことか。「区切りをつけないままでは」ということです。
あとひと月、今まで通りのアプローチを続けてみて、反応がなければ作戦を変えよう、というように、どこかで区切りをつける必要があることを、『白夜』はあなたに伝えたいのかもしれません。
仕事の問題を占ってもいるときも同じです。
「いつまでにやり遂げる」という目標設定をしていないことがモチベーションを下げている原因かもしれませんね。
「際限なく同じことを続けているだけでは状況は変わらないよ」、とか「ダラダラやっていてはダメだよ」というアドバイスを相手に差し出してもいいでしょう。
なんにせよ、メリハリをつけること。境界線を引くこと。『白夜』のカードが出てきたときは、こうしたことが解決策になると覚えておいてくださいね。
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