恋人と別れた理由について、よく聞く話のひとつが「価値観の違い」というヤツです。
だけど、価値観が同じ相手じゃなくても、うまくつき合っている人はたくさんいますよね。
そもそも、まったく価値観が同じ相手なんて、この世にほとんどいません。
分かり合える部分がとても多い相手でも、ひとつやふたつは異なる価値観を持っているものです。
たぶん、「価値観の違いで別れた」という話の真相は、「価値観の違いに気づかないまま、つき合っていたせいで別れることになってしまった」ということなのです。
どういうことか説明しましょう。
今、恋愛初期にいる方は、ぜひ読んでおいてくださいね。
さて、「人それぞれの価値観がある」ということを全く認められない人は滅多にいないと思います。
自分には許せないことでも平気に感じる人もいるだろう。
自分だったら、こう思うことでも、違うふうにとらえる人もいるだろう。
そういうのは頭で分かっていると思います。
ですから、もしも赤の他人から自分と違う反応が返ってくれば、「いろんな人がいるものだな」と肯定できる人は多いはず。
けれども、あるひとつのことがらについて、自分と違う価値観の人に出会ったことがない場合、「自分ならこう思う」ということを「当たり前」のように想定してしまうことがあるものです。
なにしろ、自分の中にない発想はなかなか浮かんでこないのが人間です。
たとえば、他人に遅刻されてもあまり気にならない人は、自分が遅刻しても「相手はそんなに気にしていないだろう」と、なんとなく思ってしまうでしょう。
反対に、他人の遅刻が許せない人は、自分がうっかり遅刻してしまったとき、「きっと相手は怒っているに違いない」と考えてしまいがち。
でも実際のところ、あなたが好きになった相手は、あなたと真逆の価値観の持ち主だったりするかもしれません。
ここから始まるのが「ボタンの掛け違え」です。
「きっとこうだろう」と思っているせいで、相手の価値観を確かめもせず、そのままつき合い続けてしまった結果、悲劇は起こります。
「実はおまえの遅刻がいつも許せなかった」なんて別れ際に彼から言われてビックリ――こういうことが起こるわけですね。
そのとき、彼女は「だったら早く言ってくれたらよかったのに! 教えてくれたら直したのに!」と思うかもしれません。
でも彼は、彼女が遅刻をしてもまったく悪びれない様子を目撃してきました。
そうすると彼は、「もしかして、ちょっとした遅刻にいちいち苛立つ自分のほうが変なのかな……」と思って、ひるんでしまうことが。それでズバッと言えないままに……。
けれども、不満は募り募って最後に爆発。
こういうことってよくあります。
もし、あなたが今、恋愛の初期段階にいるなら、自分の価値観を早めに知らせておくといいでしょう。自分の感覚をね、伝えておきましょう。
ただし、たとえば「遅刻する人って最低だよね」という言い方を最初にすると、違う価値観を持っていた人は間違いなくムッとします。
「そう? 別に自分は気にならないけど」というように。
「自分の価値観を伝える」というのは「自分の価値観を押し付ける」ことではありませんよね。
そうならないためには、なるべく自分に引き寄せて「私の価値観」を話せるようにしておくといいですよ。
「私って遅刻されると、自分の時間を奪われたみたいな気がして、ついイライラしちゃうんだ」とか、
「遅刻にうるさい親だったせいで、今でも私、時間に甘い人には寛大になれないんだよね」とか。
ついでに、そこで「あなたにはそういうのってない?」と聞いてみてください。
そうすると、「そうだなぁ、俺の場合は、ごめんなさいを言わない相手にイラっとしやすいかもな」というふうに、彼も「俺の価値観」を話してくれやすくなるはずです。
恋の初期に「ボタンの掛け違い」を少なくしておくこと。
これは「上手な恋愛のコツ」のひとつ。
この知恵をうまく活用してください。素敵な恋ができますように。
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