このまえ会った女性から、
「私、好きな人にいろいろ期待しすぎちゃって、それで恋愛がうまく行かないんですよー」
という悩みを聞きました。
でも、恋した相手に、まったく期待を抱いたことがない人って、どれくらいいるのでしょうね。
たぶん、相当少ないはず。
ですから、「期待しすぎることが、恋が上手くいかない原因」というわけではない気がします。
ただ、「期待すれば失望することも多いもの」という現実を分かっておかないと、相手を責めるばかりになりがちかもしれません。
そうしないと関係が悪くなり破局……ということも増えるでしょう。
そうはいっても、基本的に恋愛とは「期待と失望の繰り返し」です。
「この人となら、ずっと仲良くやっていけそう」
と期待していたけれど、ケンカした。
「この人なら私を大事にしてくれそう」
と期待したのに、
「もっと大事にしてよ!」とキレてしまう日が来た。
……こういう“期待外れ”は必ずありますよね?
もし、失望のダメージが大きすぎれば、即座に別れに至るかもしれません。
でも、たいていは、
「今回はちょっと失望させられたけど、これから変わってくれることに期待!」
ということで、関係は続きます。
期待→失望→期待→失望→期待……。
このループが続くかぎり、恋は続いていくのです。
もし期待が大きすぎれば、失望も大きくなるでしょう。
そうなると、アップダウンの大きい恋になり、「相手に振り回されている気持ち」も強まります。
でも、実のところ、相手に振り回されているんじゃなくて、自分が抱いた大きな期待と現実との落差に振り回されているだけだったりします……。
もしね、恋人の言動にガッカリすることがあっても、簡単に「別れたほうがいいのかな……」と早まらないでくださいね。
そのまえにまず、自分がどんな期待を相手に持っていたか、振り返ってみるといいですよ。
というのも、期待というのは、自分ではハッキリ意識しないまま、相手に対して無自覚に向けている場合が多いもの。
でも、ケンカや失望のあとに振り返ってみると、自分の期待がどんなものかがクッキリ見えてくるんですね。
たとえば、「そうか、私は彼に、いつ何どきでもあっても、私が寂しくなったら飛んできてくれること」を期待していたかも……というように。
こういうふうに期待の内容を発見できたら、それと同じことを友達にも期待するかどうか、考えてみてください。
「私が寂しいとき、会いたいときは、必ず飛んできてほしい」という要求を、ただの友達にするのって「ワガママ」という感じがしませんか?
それなのに、無意識のまま、彼にはそんなワガママを叶えてくれることを望んでいたのだったとしたら……。
彼を責めるまえに、「自分もちょっとワガママだったかな……」という気持ちが湧いてくるかもしれません。
さらに、「でも、どうして私、彼にだけはこんなに現実的ではないことを期待してしまうんだろう?」と自分を見つめなおす機会にもなるはずです。
そもそも、恋愛だって「普通の人間関係」の延長です。
それなのに「スーパーマンみたいに万能な彼が、自分のために何でもしてくれないと愛されていない気がする」という妙な固定観念が、自分のなかにあることに気づくかもしれません。
こういうふうに、「自分の期待」や「その期待を生んでいる前提」に気づき、それって現実的かどうかを考えていくと、恋がどんどん上手になりますよ。
相手の心を知ることも大切ですが、自分の心を知ることだって、それに劣らず大事なこと。
たくさん恋をして、自分自身を知ってくださいね。