ん? みんなが言っている「甘える」という言葉の意味、なんだかおかしくない?
そんなふうに感じる出来事がありました。
Amebaブログに毎週、ハワイアン・スピリチュアルタロットの一枚引きの結果を書いています。
今週、出てきたカードは、
愛らしいバラを描いた『ロケラニ』でした。
「愛されること」を意味するこのカードは、甘え上手な女性のイメージです。
そのため、「今週は甘え上手を目指しましょう」
と書いたのですが、
「私、甘えるのがヘタなんです……」という声をよく聞きます。
悩み相談を寄せてくださる方のメールにも、
「私は彼にうまく甘えられないので……」と書いていらっしゃることもあります。
ということは、
「甘え上手になりましょう」と言ってみても、
「それは無理……」
と思われてしまうかも。。
そう考えて、何か簡単なアドバイスはないものかと、他人頼みでネットを検索してみたところ……。
ん? 甘えるって、そういうこと?!
と思う内容がザクザク見つかり、頭をかしげてしまったのです。
たとえば、とあるサイトには、
「彼に迷惑なのではないかと、遠慮して甘えられない女性は多い」みたいなことが書かれています。
別のサイトには、「可愛い甘え方」として、
うわめ遣いでお願いするとか、
スキンシップをしながら愛をねだるとか、
「ねぇ、いいでしょ!」と可愛く言うとか、
そうしたことが書いてあったのですが、
そ、それって「甘える」じゃなく、「媚びる」の間違いでは?? と感じる内容ばかり。
なるほど、なるほど。
こういうことを「甘える」というなら、
「私はそういうのは苦手……」とか
「甘える女がモテるって何かイヤ……」と感じる女性が多いのは、当然だなぁと思ったのでした。
私が『ロケラニ』のカードからのメッセージとして伝えたかったのは、
「ねぇいいでしょ、これ、買ってよん♡」なんていうふうに、
「可愛いおねだりをすることを目指しましょう」――ということでは全然ありません。
そのあたりは、ブログにも書いたのですが、
「これしてほしい!」という要求を異性に上手く出来るのは「おねだり上手」という別のワザです。
「甘え上手」というのは、「要求する」という積極的な行動ではありません。
むしろ、「受容」という受け身な態度です。
自分から働きかけることを「甘えること」と考えてしまうと、
「どういうふうに上手く甘えたらいいのか分からない……」と感じてしまいます。
そのうえ、
「私は子供のころから、親に何かをねだるのが下手だったし……」などと、
自分の哀しい過去まで振り返り、ますます苦手意識が出てきてしまうでしょう。
そういう場合は、「甘える」の意味を脳内で書き換えてしまってくださいね。
「甘える」というのは、「甘ったれる」ことではなく、「甘んじる」ということ。
誰かが好意でしてくれることを「甘んじて受け取る」ことが、人に甘えることなんだと認識してみてください。
たとえば、友達と一緒に買い物に行って、レジに並んだとき、
「いいよ、先に」
と言われたら、
「じゃあ、お言葉に甘えて、お先に……」と言う感じで、会計を先にさせてもらう。
そのとき、あなたは友達の好意に甘んじているわけです。
そこであなたは積極的な行動をしていません。
「ねぇ、いいよね、私が先にレジ済ませてもいいでしょ、ねっ!」などと、おねだりするのは甘ったれること。
でも、「どうぞ」と言われて、
「ありがとう。じゃあ先にさせてもらうね!」というのは甘んじること。
甘ったれるのに抵抗がある人でも、これなら問題なく出来ますよね?
媚びなんて売らなくていいのです。
(もちろん、売りたければ売っていいのですが、売れないものを無理に売る必要はありません)
でも、「甘んじる」ことは心がけておきましょう。
「いいよ」と言っているのに、
「いやいや、あなたのほうが先に済ませて! 私はいいから!」というふうに、
相手の好意を拒否するのは、まさに「甘え下手」。
これが「あんまり可愛くない人」です。
こういうふうに考えれば、異性に対してだって、甘え上手になれるでしょう。
友達に対するのとまったく同じでいいからです。
彼が「ここは払うよ」とか「ほしいの? 買ってあげようか?」とか、「その荷物、持ってあげるよ」と言ってくれたら、
その好意に甘んじて、「うれしい、ありがとう!」と言えば、それで十分、可愛い女性です。
「お金ないんだぁ。お願い、払って!」とカワイクおねだりしなくても、あなたは十分、可愛い人なのです。
とにかく、「要求」ではなく「受容」こそが甘えの基本。
苦手な人は、そう思っておくといいですよ。
でも、そんなくらいで「可愛い」ものなの?
と思う人もいるかもしれません。
だとしたら、あなたはどうでしょう?
自分の好意や親切を、うれしそうに受け入れてくれる人がいたら、可愛い人だな……と感じませんか?
少なくとも、「いや、いいですから!」と突っぱねてくる人よりは数倍、可愛いはず。
好意や親切に他人に贈りたい気持ちは誰しも持っているもの。
それを受け入れ、「甘えてくれる人」がみんな好きなのです。
もし恋人から「たまには甘えろよ」と言われてしまったなら、
そこには「頼ってくれよ」という気持ちが含まれているはず。
自分からおねだりする必要はないけれど、
彼がさりげなく差し出してくれている好意や親切を、気持ちよく受け取るようにしてくださいね。