~ひと休み・何かが始まる前の段階~
「ティー・ブレイク」という言葉があります。私たちがお茶を飲むのは、たいていの場合、ちょっと一息つきたいとき。
仕事のあいまに「よし、ここまでやったから休憩!」ということで、お茶やコーヒーを入れて休む場合も多いですよね。
このカードには“緊張の緩和”や“なごみ”という意味があります。これはまさに、お茶を飲むときの心境です。
たとえば、あなたに対するあの人の気持ちを占っていて、『お茶』のカードが出てきたら、「あなたといると心がなごむと思っている」というふうに読むことが出来るわけです。
でも、『お茶』のカードの意味はそれだけではありません。
北極圏で猟をして生きている人たちは、ひとつの儀式のようにお茶を飲むからです。
猟師たちが獲物を求めて出かけていく場所は広々していて視界が良好です。都会みたいにビルが乱立していたりはしないし、ジャングルみたいに木々が視界を遮ることもありません。そのため、すごく遠くからでも獲物が見えるんですね。
さぁ、あそこに獲物となる海獣が寝ているぞ――そう思ったら、猟師は橇を止め、お茶を飲みます。
「えっ? 獲物が見つかったのに、急がなくていいの?」と、私たちは思ってしまいますよね。でも、彼らは急ぎません。かじかんだ手を温め、緊張している心をほぐし、心身ともにベストなコンデションを作るために、まずは一杯、お茶を飲むのです。
つまり、『お茶』のカードには“小休止”や“準備段階”という意味があるんですね。
これを覚えておいていただくと、恋や仕事の現状に『お茶』のカードが出てきたとき、「今は動きがなくても、もうじき進展がある」と読み取ることができるようになります。
中途半端な関係のまま、前に進まない恋に悩んでいる人を占ってあげたときに「相手の本心」を示す位置に『お茶』が出てきたら、「相手はね、慌てて失敗するのがイヤなんだよ」と伝えてあげるといいでしょう。
仕事に悩んでいるとき、このカードを引いたなら、「いったん休んでコンデションを整えたほうがいいよ」とか「焦って動くより、ゆっくり準備したほうがいい」と読んでみてください。
当たり前のアドバイスに聞こえますが、『お茶』のカードが出てくるのはね、少し休んだり、準備に時間を割いたりすることに質問者の意識が向いていないからこそのこと。
タロットって奇抜な答えを返すためのツールではありません。「何かに悩んでいて、視野が狭まっているせいで、つい忘れている当たり前のこと」を思い出させてくれるのも、タロットカードの素晴らしいところです。
いずれにしても、これは“急いては、ことを仕損じる”という格言に通じるカード。
一休さんではないけれど、慌てない、慌てない。ひと休み、ひと休み……そんな言葉をキーフレーズのように覚えておけば、『お茶』のカードがあなたに伝えたがっている意味を読み取りやすくなるかもしれません。
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