~連想・同質性・呼吸を合わせる~
このカードに描かれているのは、極地の海の浅瀬です。
寒流域に生息するクリオネの姿が、カードの中央に描かれています。
そのすぐうえには、頭を突き合わせているような形で、もう一匹のクリオネが見えますが、これは「鏡像」です。
ここは透明度の高い海。そのため、澄んだ海面が鏡のように光を反射し、水中のクリオネの姿を合わせ鏡みたいに映し出しているのです。
ところで、極地の人々が使うイヌイット語では、クリオネのことを『ウグジュグナック』というのだそう。直訳すると「アザラシみたいな」という意味の言葉です。
クリオネもアザラシも、ぽたっと丸くて長い胴体の両側から、ちょこんとヒレが出ています。大きさは随分違うけれど、形はよく似ていますよね。
世界の各地でもクリオネという生物は“他の何か”に例えられることが多いんですよ。
「流氷の天使」なんていう呼び名は日本でも使われていますよね。他にも「海の妖精」など、素敵な例え方をしている国も。
さて、これらに共通する点を考えてみると、このカードの意味の本質が見えてくるでしょう。
クリオネを見た人は、「アザラシみたいな形だ」とか、「天使みたい」、「妖精のようね」というように、“連想”を働かせたり、ふたつのものの“同質性”を感じ取ったりしてしまう、というわけです。
つまり、このカードには、“連想すること”、“同質性を感じること”、“共通点を見つけること”といった意味があるのです。
では、リーディングの例を考えてみましょう。
好きな人があなたのことをどう思っているかを占っている場合なら、「あなたとは共通点が多い」と感じて、親近感を持っているのかもしれません。
あるいは、あなたには、自分が昔好きだった相手と似ているところがある……と感じている場合もありそうです。
仕事の悩みに関する質問を投げかけたときに、『ウグジュグナック』が出てきたら、あなたのそばに似たような悩みを抱える人がいるということかもしれませんね。一緒に問題解決に取り組んでくれそうな相手を探してみるといいでしょう。
また、カードをじっと見つめていると、違う答えが浮かぶことも。映し鏡のように海面に映り込んだクリオネの姿からは“模倣”というキーワードも出てくるはずです。
上手に仕事をしている人をマネてみたり、同じ業界の人々のやり方に自分を合わせていくようにするなど、いろんな解釈が生まれてくる余地があるカードです。
いっぽう、恋人とのケンカ中、このカードが出てきたら、「お互いさま」ということかもしれませんよ。
恋人や友達とケンカになると、つい、こんなことを考えてしまいませんか?
「私が悪いの? いや、彼(彼女)が悪いんだよ! でも、私にも悪いところがあるのかなぁ……」と。
『ウグジュグナック』は、そんなふうに悩むあなたに、「どっちもどっち」と告げています。
なにしろ、ふたりの人間がぶつかるとき、片方だけが一方的に悪い、ということは少ないもの。お互いがワガママになっているだけ、という場合は多いはずです。
だとしたら、あなたが変われば相手も変わります。ふたしは「合わせ鏡」のようなもの。片方が変化すれば、もう片方も同じように変化していくことも、このカードは暗示しているのですから。
最後にもうひとつ。
新たな恋を探しているときに『ウグジュグナック』が出てきたら「吉兆だ」と解釈できます。
あなたとピッタリ息が合う人、あなたがしっかり心を重ね合わせることができる人が登場することを、このカードは表します。
近いうちに、あなたの目の前に、「この人は、私と感性や考えが似ているな」と感じる異性と出会えそうですね。
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