~収穫・その時期だけの喜び・夢中になれる存在~
ブルーベリーやサーモンベリーは北極圏の短い夏から秋にかけて採れる貴重な果実です。
この自然の恵みをイヌイットたちは満喫します。
ベリーを手で摘み、そのまま口に入れ、次から次へと食べ続けます。
なにしろ、ベリーは小さな果実。そのおいしさを口いっぱいに味わうには、ひとつやふたつでは足りません。
それに北極圏は、みずみずしい野菜やフルーツがほとんど育たない場所。
甘酸っぱい果汁のうまみが格別に感じられる場所なのです。
ベリーを摘んで食べるのが大好きなのはクマも同じ。あんまり夢中になっていると、すぐそばにいるクマに気づかない……なんていうことも。
そんなふうに人を魅了する『ベリー』のカードが表すのは無我夢中なひとときです。
好きな人の気持ちを占っている場合なら、「彼(彼女)は今、あなたに夢中」だということなのです。
もちろん、これは「あの人は私のことを今どう思っているの?」という問いを立てた場合ですよ。
さっぱり連絡がつかない相手が、今、どうしているかを占っている場合なら、「その人は今、自分が夢中になっている事柄に没頭している」と読みましょう。
その他、『ベリー』のカードは収穫のときの訪れや、喜びに満ちる瞬間、夢中になれる人やモノの登場なども意味するカードです。
注意しておきたいのは、このカードが「その時期に限られた喜びや収穫、満足」を表す点です。
たとえば、気になる異性にアタックしたほうがいいかどうか、転職すべきかどうか――こういうことを占っていて、『ベリー』が出てきたら、「今こそチャンス」ということ。
来月になってから……なんて思ってはいけません。
極地に果実がなるのは、ほんのわずかな期間です。だからこそ、人もクマも「今を逃すまい!」として、ベリーを食べるのに夢中になるのです。
だとしたら、このカードは「喜ばしいことが起こるのは今だけで、あっという間に幸せなときが過ぎ去ってしまうのかな?」と不安になった人がいるかもしれませんね。
それって、とても鋭い読みだと思います。
確かに『ベリー』のカードは永続的な愛情やチャンス、収入・収穫を意味するものではありません。悲観的な見方をするなら、「今はいいけれど、うれしい状況がずっと続くわけではない」というリーディングが成り立ちます。
けれども、果たしてこの世界に未来永劫、ずっと続いていく熱愛やらチャンスやら財源、といったものはあるでしょうか?
どんなに美味しいものだって食べて続けていれば飽きてしまうかもしれません。
どれだけ夢中になれる恋をしても、ふとした瞬間、我に返るときは来ます。
でも、今しかない喜びに触れたとき、その感覚は脳裏に強く刻まれますよね。
「あれは本当に美味しかった……また食べたいな」と思った経験こそ宝物です。
その記憶を思い出すたび、また幸せな気持ちになれるものです。
「この人と出逢った瞬間、ビビッと体を走り抜けた強烈な喜びは、一緒に暮らすようになってから、もう10年も経つけど、今でも覚えているわ……」なんて言えるカップルになれたら幸せですよね。
たとえ、そのときほどの情熱はもうなくても、こんな記憶を共有している恋人との関係は長く続いていく可能性が高いはず。
ですから、『ベリー』のカードが出てくるのは、喜ばしいことだと思いましょう。
「この幸せって今だけかもしれなんだ……」なんてネガティブに考えるよりも、「一生、心に残るほどの大きな喜びが得られるんだ!」と解釈してみませんか?
仕事が苦しくて仕方がないときでも、『ベリー』のカードが未来のポジションに出てきたなら、いずれは喜ばしい収穫があるということ。
ここでめげずに、努力を続けてみてくださいね。
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