~歪んで見えていること・勘違い・違和感~
蜃気楼というと、アラビアの砂漠で熱風のむこうに幻のオアシスが見える……といったドラマティックな光景が浮かんでくる方が多いかもしれません。
でも、蜃気楼は砂漠にしか起こらない現象ではないんですね。
珍しいとはいえ、日本でも起こる現状です。
オーロラが発生する極地は、砂漠と同じくらい蜃気楼が起こりやすい場所です。
そして、砂漠ほどではありませんが、極地もまた移動の際の「目印」が少ない土地です。
蜃気楼が発生すると、山や川の輪郭が微妙に変わります。その変化が人を戸惑わせます。
このカードは、「何かが違う……」という違和感だとか、戸惑いの気持ちを表すのです。
たとえば、恋人の様子が何かヘン。いつもと違う気がする。気のせいだろうか? なにが起きているの?……そんなふうに感じた経験、あなたにもありませんか?
そういうときの心境に近いものを『蜃気楼』のカードは表しているんですね。
では、リーディング例を考えてみましょう。
仕事に関することを占っていて、このカードが過去を表すポジションに出てきたとしましょう。
その場合は、「なんかこの仕事、違うんだよなぁ。ちょっと自分に向いていない気が……」といった違和感が、あなたの心にあったというふうに読んでみるといいかもしれません。
恋する相手の気持ちも場合も同じです。「うーん、ちょっと期待していたのとは違う」とか「彼(彼女)が言っていることは、なんかおかしい気がする」といったモヤモヤ感――そんなものを『蜃気楼』というカードは映し出しているわけです。
ところで、蜃気楼が発生する原因は、大気中の温度差、もしくは密度の差です。
急な冷え込みが襲ったりすると、温度差の激しい空気を通過していくときに光が屈折します。その結果、モノの輪郭が歪んだり、そこにないものが見えたりします。
このカードはね、物事の歪みや気持ちの歪み、錯覚や勘違いも意味するカードなんですよ。
未来を占っているときに、『蜃気楼』のカードが出てきたら、少し注意が必要です。
これは今後のあなたが物事を歪めてみてしまう可能性があることを暗示する場合があるんですね。
あるいは、正確さに欠ける情報が入ってきて、勘違いが起こるという事態も考えられますね。
といっても、このカードがあなたに伝えたいのは、「ほんの少しの歪み」がそこにあるということ。
あなたの考えだとか、与えられた情報のすべてが間違っているわけではないのです。
もうちょっと詳しく説明しましょうね。
誰かが額縁に入った絵を壁に飾ろうとしている様子をイメージしてみてください。
その様子をそばで見ている人が、「ん? ちょっと違うかな。もうちょっと右側を高くしてみて」といったアドバイスをすることってあるでしょう?
それって額縁の左右の高さが少しズレているからですよね。「その絵がおかしい。違う」といっているわけではありません。
『蜃気楼』というカードが伝えたいのも、それと同じこと。
「あなたが考えていることがおかしい。違うよ」ということではありません。
「あなたの考えのなかに、ちょっとしたズレがあるよ」という助言なのです。
「恋人の様子がおかしい」と考えている人のなかには、「ということは浮気している?」と、即座に疑い始めてしまう人がいます。
でも、様子がおかしいのは体調のせいかもしれません。
ちょっとした不満があるだけかもしれません。
仕事のことで何か悩みがあるのかもしれません。
それなのに、「浮気に違いない!」と考えてしまうのはズレていると思いませんか?
『蜃気楼』のカードが伝えたいのは、「勘違いを起こさないで」というメッセージ。正確なところをつかもうという意識を持てば、相手のことや自分の未来に違うイメージが持てるようになるよ、という助言です。
このカードからのメッセージを上手に読み解けるようになれば、恋人とのすれ違いだとか、取り越し苦労を、きっと減らせますよ。
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