今日は運命にも恋にも占いにも関係のない私の単なる旅日記なのですが、よろしければ、お付き合いください。
先週のダイアリーで書いた通り、石垣島に行ってきました。
梅雨入りしている石垣ですが、今のところ丸一日雨だった日はありません。
大雨が降ってきても、2時間もすれば晴れてきます。
ただ、天気予報がまるで当てにならないのが困ったもの。
「明日は昼から雨」と書いてあっても、実際には朝が雨で昼から晴天だったりします。
昨日出かけた竹富島でも、やはり予報と逆のお天気で「晴天の海を撮ろう!」という計画はすっかり台無し。
けれども、おかげで予想外の喜びもありました。
この島のコンドイビーチに集まっている猫たちとのひとときです。
「島には猫が多くいる」と聞いていたので、村落にいるあいだ、猫はいないか探していました。
とりあえず、ガイドブックに書いてある通り、レンタサイクルを借ります。
石積みの塀に、白砂の道。沖縄ならでは赤瓦の家屋。咲き乱れる花――そうした光景がどこまでもどこまでも続く美しい村落。
まさにガイドブックに書いてある通りなんですが……読むのと経験するのは大違い。
本当に、どこもかしこも同じような街並みゆえ、道に迷って仕方ないのです。
あれ、ここさっき見たような。でも、どっちから来たんだっけ?
後ろを見ても前をみても、左も右も、おんなじような風景なのです。
しかも、観光名物の牛車がぐるぐる走っています。
それに気をとられてしまうと自分が今、どっちに行こうとしたのか、すっかり忘れて、来た道を戻っていってしまったり。
そのあいだ、天気は曇りどころか晴天。
自転車から伸びた腕が太陽にじりじりと焼けていき、リュックとカメラを背負った背中は汗でびしょぬれ。
猫は見つからないままですが、もう暑すぎてギブアップ。
海にざぼんと飛び込もう、と決めて、迷路みたいな中心部を抜けて、コンドイビーチに向かいます。
このコンドイビーチは世界有数の美しいビーチだそう。
到着するなり、開けた景色にワーッと喜び、とりあえず写真を1枚。
そして、更衣室に行き、水着に着替えて出てくると……あれ? ちょっと曇ってきた?
この大きな雲が抜ければ晴れるかな。ちょっと待とう。
……また次の雲が来たかも。
ん? あれ? ぽつぽつと雨!
カメラが濡れる! コンクリートの小さな東屋がビーチの入り口付近にあったので、そこまでダッシュ。
大した雨ではありません。
荷物だけ屋根の下に入れて、ぶらぶら裏を回ったら……すやすや眠る猫がいました。
その可愛さに、もう釘づけです。
気がつくと、そのあたりのあちこちに猫が。
さっきは海のキレイさに目が向いていて、全然気づきませんでした。
晴れていたら、気づかないまま帰っていたかも。
人間とは付かず離れずの距離でうろうろしている猫たち。
追いまわして写真を撮るのもなぁ……と思案していたら、ひらめきました!
というより、思い出したのです。
猫好きの私は、かばんのポーチにいつも「またたび」粉末を忍ばせていたことを。
とりあえず封を開け、またたびの粉を手に乗せて、「おいで、ほら」と近くの猫を誘ってみます。
とんとんとん、とやってきた猫さん。怖がりもせず、私の手の上のまたたびをなめ始めました。
すると、どこからともなく他の猫たちがやってきて……きがついたら、6,7匹に囲まれている状態に。
もうみんなご機嫌です。夢中でなめたあとは、地面だけでなく私にも体をこすりつけて、うにゃうにゃ声を上げます。
一袋をみんなで分け合ったところで全員、大満足。それぞれ、ころんと横になりました。
地べたに座り込んでいた私の周りは、右も左も猫だらけ。
好きなだけカメラを向けて、可愛い姿を撮って……ん? あれまぁ、私の姿、まるで岩合光昭さんみたい!
世界中で猫を撮っている岩合さん。テレビで見ると、いつもカメラ片手に地べたに座り、彼の周りには猫がたくさん。まさにあんな感じになっていたのです。
その後も空はずっと曇り。
海は引き潮で干上がってきて、どんどん人もいなくなりました。
だけど、岩合光昭さん気分に浸って喜んでいる私はずっと地面に座り込んだまま。
背中や足にくっついて寝ている子たちが可愛くて、そこを動けませんでした。
ふと一匹の猫が起き上がり、すたすた海のほうに向かっていきます。
「今日はもう晴れそうにないねぇ」と言っているような後ろ姿をカメラで追っていたら、ちらっと振り向いた猫。
またたびの酔いはすでに醒めて、クールな猫らしい顔。
「あんたもそろそろ帰んなよ」と言われている気がして、ようやく腰を上げたのでした。
光輝く海は撮れなかったけれど、じんわり幸せな時間が持てました。
実は、この日の夜、地元のカメラマンの方に星を撮るレッスンを受けることになっていて、お会いしたとき、この猫の話をしたのです。
そうしたら岩合さん、以前、竹富の猫も撮りにいらしていた、という話を教えていただけて。
そうか、あの猫たちは岩合さんの温かい瞳を見て、いつもの「かわいいね」を言われながら、優しくシャッターを切ってもらって、きっとカメラ慣れしていたんですね。
だから、あんなアッサリ気を許してくれたのかもしれません。
びっくりしたのは、「泳ぐ猫」を岩合さんが撮っていらしたという話。
「岩合光昭になったつもり」気分の私は、いやーさすが本物は違うと、当たり前のことを思いながら、それにしても、猫と交流しただけで、この南の小さな島に不思議な愛着が湧いている自分にも気づきました。
いつか……ここで経験したことが、自分の仕事に生きてくるかもしれない気がしています。
※石垣島で撮ったその他の写真や体験を、Amebaオフィシャルブログのほうにもアップしています。
もしよろしければ、こちらもご覧くださいませ。
▼竹富島で出会ったのは……シーサーと牛と花と猫たち