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同じあやまちを繰り返してしまう人に効く自己暗示

喉もと過ぎれば、熱さを忘れる――これって、鋭いことわざだなぁと思います。

あんなに辛い思いをしたのに、また同じような失敗をしてしまったり、

同じような恋を二度も三度も繰り返して泣くことになったり……。

人間って本当に「懲りない生き物」なのかもしれませんね。

 

とはいえ、どんなことでも必ず、同じあやまちを繰り返す人はいません。

たいていのことは一度の失敗から学びます。
そして、きちんと修正できます。

 

それなのに、「これだけは何度やっても身につかない……」ということ、みなさんにも一つくらい、ありませんか?

 

最近の私の場合、「ヤカンのフタの付け方」が何度もやっても間違えることでした。

 

ヤカンを買い替えて以来、沸騰すると、ふたの小さな穴から出てくる蒸気に手を近づけて、「熱っつ!」となることを繰り返してしまっていました。。

フタをはめるときに、蒸気が出てくる穴の方向をキチンと前にセットすれば、水蒸気の熱を浴びることはないのです。

でも、何度やっても毎度忘れて、取っ手を握るときに、蒸気が腕にあたる方向にフタをはめてしまうのです……。

 

「アッちち! もういい加減にして、私!」と、毎度叫ぶのに治らず。。

繰り返されるあやまち――同じことを繰り返してしまうのは運命なのか、はたまた何かのトラウマなのか……。

 

いえいえ、これは単に私が愚かなだけ。

なんとかしようと思い立ち、久々に簡単な“自己暗示”を使ってみました。

心を落ち着け、ヤカンのまえに立って、「明日からもう私はフタの位置を間違えないよ」と、優しくニッコリ、心をこめてつぶやきます。

そうしてから、意識をグッと集中してヤカンを見つめること、約10秒。

ここが重要です。
しげしげと、ヤカンの細部をしっかり目に焼き付けます。

そうすると、この視覚刺激がトリガーになって、「暗示」を思い出しやすくなるのです。

 

さて、次の朝。

お湯を沸かそうとヤカンのまえに寝ぼけまなこで立って、お湯を沸かそうとした直前。

「ん? なんだろう? ここで何か考えなきゃいけないんじゃなかったっけ?」と、立ち止まった私。

そのままちょっと頭を巡らせてみると、
「そうそう、フタの付け方に注意するんだった!」と思い出せたのです。

 

よしよし、暗示が上手く効きました。

こうなると、その翌日の朝はもうヤカンのまえに立つだけで、なんとなく心が浮き立ちます。

「ん? なんだっけ? なんだか嬉しいこの気持ち……そうそう、昨日フタを間違えずにつけられたんだ!」と思い出し、この日もフタの位置を正しい方向にセット出来ました。

 

ここまでくれば、もう大丈夫。同じ失敗を繰り返すことはなくなります。
何度やっても学ばない自分から無事、脱出できました。

 

でも、どうして痛い目に遭っても学ばないんだろう……。

喉元すぎて熱さを忘れることもあれば、そうではないこともあるのはなぜなんだろう……。

そんな疑問が頭に残ったので、ちょっと考えてみたのです。

 

今回、私が何度もヤケドしそうになったのは、「習慣の一部だけを変える」ということの困難さにぶつかったからなのかもしれません。

ヤカンというものを生まれて初めて使って、そのとき、スゴく痛い目に遭ったとしたら、たぶん、すぐ修正できたでしょう。
「これは注意すべきこと」という記憶がスンナリ頭に刻まれたはず。

ところが、私にとって、ヤカンは見慣れたもの。

取っ手のデザインが前のものと違うヤカンになったせいで、失敗が起こるようになりましたが、「ヤカンに水を入れてフタをする」という作業については、すでに自動化しています。

その一部の「フタの方向を考える」という部分だけ変える――つまり「習慣の一部だけ変える」ということ。これがね、困難なのでしょう。

 

さて、人間って、いろんな習慣を無意識にしています。

昨日まで右足から履いていた靴を左足からにしようと思っても、なかなかうまく行かないのと同じですね。

いったん習慣になってしまったことを覆すのは難しく、だからこそ、同じあやまちを何度も繰り返してしまう……それが人間なのかも、というのが私の出した答えです。

 

もし、あなたのご主人やお子さんが、「何度、言っても直してくれないクセ」を持っていて、すごくイライラしているなら、「私の言うことをなぜ聞けないの!」と怒らないでくださいね。

口酸っぱく言っても直してくれないと、こっちの存在の否定されている気分になってきてしまいますよね。

でも、習慣の一部を変えるのは、誰にとっても困難なことです。

根気強く、何度も何度も注意してあげるほかありません。

 

いっぽう、あなた自身が「毎度同じことを繰り返してしまう自分」に悩んでいるなら、私と同じような自己暗示を使ってみてください。

「どうして私って、こんなに愚かなの」という苦悩から逃れられると思います。お試しを。

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