ブログ

「ポジティブな人」は好かれる? それとも嫌われる?

「最近、私ネガティブだなぁ。ダメだなぁ……」そんなふうに嘆いてしまうときってありますよね。

でも、「ネガティブの何が悪い! 物事を無理やり明るく考える必要なんてない!」と思う人もいたりします。

また、「いつもポジティブな人って疲れる。なんかイヤな感じ。」とか、
自分が落ち込んでいるときに、「もっとポジティブになりなよ」と言われるとムッとしたくなるとか、

ポジティブ人間に対する否定的なまなざしがあるのも確かなこと。

とはいえ、「私は落ち込みやすい」と悩む人はポジティブ思考ができる人に憧れることもあるでしょう。

さて、では「ポジティブな人」って好かれる人なのでしょうか?
それとも嫌われる人なのでしょうか?

 

◆いつでもポジティブ!が好きなわけではなく……

 

結論から先に言うと、いつでもどんなときでもポジティブでいようとする人は、「みんなに好かれる人」とは言えないのでは……というのが私の考えです。

 

たとえば、以前ドラマで話題になった「ポジティブモンスター」には賛否両論が寄せられたみたいですね。

他人が何を言ってもポジティブにしか解釈せず、人に迷惑をかけている自分にも鈍感なのが「ポジティブモンスター」。
つまり、私がここでいう「いつでもどんなときでもポジティブでいようとする人」です。

 

人間、誰だってミスは犯すし、他人に迷惑をかけてしまうこともあります。
そんなとき、私たちは無意識にも相手を落ち込ませようとしているはず。

「ちょっとは反省しろよ」
「どうしてあなたってそうなの」
「能天気でいいよね」

そんな言葉で相手の考えを「ポジティブ」から「ネガティブ」に移行させようとします。

 

いっぽう、すでに十分落ち込んだり、反省している人を見れば、優しく相談に乗ったり、「大丈夫だよ」「誰だって失敗はあるよ」と励ましたりして、「ネガティブ」から「ポジティブ」に考えを移行させようとします。

実際それで相手が元気になって感謝してくれたら、うれしくなります。
「役に立てた」と思うからです。
落ち込んでいる相手に、最初からいきなり「あんたネガティブだね。ポジティブにならなきゃだめだよ」なんて言いだすのは、思いやりの心がまったくない人か、あるいは本人が「ポジティブモンスター」タイプかくらいだと思います。

でも、どんなに優しく励ましても落ち込みっぱなしの人がいたら、誰だって「いい加減、ポジティブになりなよ……」と言いたくなってきますよね。

要するに「ポジティブになれ」という言葉が出てくるのは、他人の励ましを全然、受け取れない人に向けられる言葉なのです。

けれども私たちは、年がら年じゅうポジティブな人が好きなわけではありません。

落ち込まない人との交流のなかには「私の励ましが役立った!」と感じる場面はないし、自分と全然違う「どこか遠い存在」のように感じてしまうからでしょう。

要するに、落ち込むこともあるけれど、励ませば元気になってくれる――そんな相手をね、私たちは無意識に求めているのかもしれません。

 

◆どうしてもポジティブになれないときは……

 

だからでしょうか、自分自身、落ち込みが続いてポジティブになれないと、私たちは無意識に焦り始めます。

いつまでもグダグダ言っていると、周りに見放されてしまうかも……という不安が出てくるからです。

 

その不安はプレッシャーを生みます。「ポジティブにならなきゃプレッシャー」です。

ところで、プレッシャーって心や体を固くします。柔軟に変化するのを妨げてしまうんですね。
だから、ますますネガティブな心境から抜け出しづらくなってしまいます。

 

まずは「ネガティブでいること」を自分で自分に許してあげる。
いいかえれば、「今のままの自分を認めてあげる」ということ。
これがね、効果的かもしれません。

 

認められるって「力」になります。

仕事で認められたら嬉しいですよね。
好きな人に好かれるのが嬉しいのも「私の魅力を認めてくれた」と思えるから。

自分で自分を認めることが最初の一歩です。
「ネガティブなままでいいよ、私」――そう認めてあげると、プレッシャーで固まっていた心がほぐれます。

「もうちょっと、いいふうに考えてみようかな……」
「この辛い状況から学べることもあるかもしれないな……」

心がほぐれたとたん、無理にではなく自然にポジティブな考えが浮かんできます。
大切なのは「ポジティブであり続けること」ではなく、「切り替え」ができること。

いろんなときがあっていいと思います。
いろんなときがある人こそ、好かれる人だと思います。

 

嫌われやすいのは、ネガティブ側、ポジティブ側のどちらかにガチっと心が固定されてしまっている人。

どちらにも転べる柔軟な魂を持っていれば、人を励ましたり、人から励まされたり、持ちつ持たれつ、素敵な友情や愛の絆を築いていけるはず……。

ポジティブ思考だけを無理に自分に強いたりせず、「切り替え上手」を目指してみてくださいね。

 

▼こちらの記事もどうぞ

がんばらなくても大丈夫。世界は動いています

PAGE TOP