忙しい彼氏と寂しがり屋の彼女が、どうしたら上手くつき合っていけるのか……先月のダイアリーでは、この話を書きかけたまま、旅に出てしまいました。
今日はそのお話の続きを書いてみたいと思います。
好きな人が忙しい人で、なかなか会えない寂しさを抱えている女性はたくさんいるでしょう。
私も若かりしころは、この悩みが絶えませんでした。
10代のころは、ひたすら彼に不満を言うだけ。
「寂しいよぉ」、「会いたいよぉ」と、まぁ本当に子供のよう。
20代になると、少し大人になって、
「自分も忙しくすればいいんだ!」と思い立ち、いろんなことに意欲的になって、暇を持て余さないようになりました。
30代から先は……今の仕事を始めたおかげで、わざわざ頑張らなくたって十分、忙しくなりました。
結果的に「ごめん、今日は無理! 会えない」というのが、いつの間にか私のほうになっていたことも。
というわけで、私個人の場合は「寂しい」という悩みは「自分が忙しい日々を送る」ということで解決したわけです。
でも、この解決策が万人に通用するわけではないと思います。
自分のことを振り返っても、人生のなかには「ぽっかり穴が空いたみたいに暇が出来てしまったけれど、何もしたくない時期」が何度もありました。
たとえば、一緒に過ごす時間が多かった友人が遠くに越してしまうなど、人間関係が急に変化したとき。
暇な時間を埋めるために欠かせない「余力」がね、体や心の調子のせいで奪われてしまった時期も色々ありました。
あなたにも、きっとそういうときがあると思います。
そんなときに人から
「とにかく、いろんなことを意欲的にやりなさい! 恋人と会えなくてもそうすれば寂しくない! 何かしなさい!」なんて言われても無理でしょう。
だって、そういうときの寂しさは「暇さ」だけから来ているわけではなく、「心細さ」を伴うものだからです。
暇なら暇を埋めればOKです。
彼が多忙な人なら、あなたも多忙な人になり、お互い「ごめん、今日は無理!」と言い合えたら、不満は溜まりません。
「愛されてない……」と嘆き、無駄なケンカばかりして、愛を壊すこともありません。
だけど、心細さか募るときは、どんなに暇を埋めても寂しさが消えません。
好きな人に会いたい気持ちも小さくならず、苦痛の日々を過ごすことに……。
そういうときに必要なのは確かに「愛」なのです。
仕事や趣味をどれだけ増やしても、“心細さを伴う寂しさ”はなかなか消えないでしょう。
だとしたら、好きな人や恋人が暇になり、あなたのそばに付き添ってくれない限り、あなたの寂しさは消えないのでしょうか?
そうだとしたら悲劇です。
そもそも、そういうときに会って抱きしめてくれる相手さえいない人は、カケラの希望もなくなってしまいます。
さて。
心細さを伴う寂しさを抱えているとき、必要なのは「愛」だとすれば、その愛をどうすれば得られるのか――。
陳腐な話かもしれません。
でも、これが正解です。
「与えよ。さらば与えられん」です。
まずは、この世界のあらゆるものに「愛」を与えてみてくださいね。
モノにも人にも植物にも動物にも。
愛をこめて接しましょう。
部屋が散らかっているなら、あなたは部屋を愛していないかもしれません。
「ごめんね、ほこり被ったままだったね」と棚をふいてあげましょうね。
冷蔵庫でしなびかけている野菜があったら、使ってあげましょう。
「ごめんね、無駄にしないよ。しっかり食べて身にするね」と、お味噌汁でも卵焼きでも何でもいいから、余った野菜を料理に入れてあげましょう。
どうでもいいような扱いをしてきた相手と目を見て話をしてみましょう。
「ごめんね、存在を無視してて……」と心で唱えながら。
心細さは、あなたの周りに味方が少ないから。
だけど、あなたの生活を支えてくれているのは、恋人だけではありません。
家具も、食材も、洋服も、同僚も、友人知人も、スーパーやコンビニの店員さんも、宅配便の人も、みんなあなたの生活を支えてくれています。
そこに愛を与えていけば、やがて愛が帰ってきますよ。いろんな形でね。
「恋人だけが自分の寂しさを埋めてくれる人」と考えると、あなたはイヤになってしまうでしょう。「この人なしでは生きていけない自分はなんて情けないんだろう……」と。
本来ね、恋する人に会いたい――その気持ちは「ときめくもの」です。
「飢餓感に満ちた辛いもの」ではないはずなのです。
恋は恋。
愛は愛。
恋心はひとりに向けて、愛はみんなに向けて。
それが心細い寂しさを消すための秘訣です。忘れずにいてくださいね。
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